Power BIを使い始めたときに多くの人が迷うのが、「新しい列(Calculated Column)」と「メジャー(Measure)」の使い分けです。
二つは混同しやすいですが、メニューからも「列ツール」と「メジャーツール」で分かれてます。

<新し列は「列ツール」>

<新しメジャーは「メジャーツール」>
どちらもDAX(データ分析式)を使って値を計算するのですが、役割も使い方も大きく異なります。
本記事では、それぞれの特徴・使い方・代表的な例を解説します!
新しい列とは?|データの“行”に注目!
「新しい列」は、Power BIのテーブルに実際に追加される列です。
特徴まとめ
- 各行に対して1つの値を持つ
- テーブルに保存される(物理的な列)
- フィルターの影響を受けず常に固定の値
- 行、分析軸、凡例、グループの領域、スライサー、リレーションシップのキーで使用できる
- 追加対象のテーブル内でのみ計算可能
- 計算のタイミングは列の作成時、データ更新時
使用例
- 日付列から「月」や「曜日」を抽出
- 売上額に応じた評価(例:ハイランク・ローランク)
- ID同士の結合や文字列の整形
例:列 = [社員番号] & ” ” & [氏名]

新しい列作成後に追加されるアイコンはテーブルに「Fx」がついている

メジャーとは?|ビジュアルに応じて変わる“集計値”
一方、メジャーはPower BIで視覚的な出力(ビジュアル)に応じて動的に値が変化する計算式です。
特徴まとめ
- フィルターやスライサーの影響を受けて値が変化
- DAX式のみ保存して、値はテーブルに保存されない
- 計算の効率が良く、レポートのパフォーマンスも良好
- テーブル全体を参照して計算可能なので、複数のテーブルを跨いだ計算が可能
- 計算のタイミングはビジュアルに追加されたとき
使用例
- 売上合計・平均・最大値・カウントなどの集計
- KPIの算出(前年比や構成比など)
- フィルター条件ごとの動的なグラフ表示
例:メジャー = COUNT(‘社員マスタ'[社員番号])

メジャー作成後に追加されるアイコンは電卓か、テーブルの「Σ」がついている(二つのアイコンの違いはPowerBIのバージョンアップの影響で意味は同じいみだよ)

🆚 新しい列 vs メジャー:比較表でチェック!
項目 | 新しい列 | メジャー |
保存場所 | テーブルに追加される | モデル上のみ存在 |
計算タイミング | データ読み込み時(固定) | ビジュアル表示時(動的) |
フィルターの影響 | 少ない(静的) | 受ける(動的に変化) |
主な用途 | 分類・文字列操作・ラベルづけ | 集計・比率・KPI計算 |
パフォーマンスへの影響 | 多め(列が増えるため) | 軽め(動的に必要な時のみ計算される) |
どう使い分ける?
迷ったときは、以下のポイントで判断してみてください👇
- 行ごとの情報を加工する → 「新しい列」
- 集計・KPI・フィルターで変化させたい値 → 「メジャー」
まとめ
Power BIで効率よく分析を行うには、「新しい列」と「メジャー」の使い分けがとても重要です。
特に「新しい列に慣れすぎて全部それで処理してしまう」と、パフォーマンスが落ちたり、思った通りに集計できなかったりすることもあります。
最初は難しく感じるかもしれませんが、実際にレポートを作りながら使い分けを意識すると、自然と身についてきますよ♪
コメント